ロジクールのマウスを使っていると、ある日突然「1回クリックしただけなのに2回クリックされる」という現象に悩まされることがあります。この現象は「チャタリング」と呼ばれ、特にロジクールのマウスでは一定期間使用後に発生しやすいことが知られています。チャタリングが発生すると、ファイルの選択やドラッグ操作が正常にできず、PC作業の効率が大幅に低下してしまいます。
チャタリングの原因は主にマウス内部のスイッチの接点不良や静電気によるものとされています。諦めて新しいマウスを購入する前に、実は自分で修理できる場合も多いのです。この記事では、ロジクールマウスのチャタリングを簡単に確認する方法から、初心者でもできる修理方法、そして予防策まで詳しく解説します。
記事のポイント!
- チャタリングの原因と症状を理解し、自分のマウスが本当にチャタリングしているか確認する方法
- 工具不要で試せる簡単なチャタリング解消法(放電作業)
- 接点復活剤やスイッチ交換など、より本格的な修理方法
- ロジクールの保証サービスの活用法とチャタリングしにくいマウスの選び方
ロジクールのマウスでチャタリングが起きる原因と確認方法
- マウスのチャタリングとは単発クリックが複数回認識される現象
- ロジクールのマウスでチャタリングが起きる主な原因はスイッチの接点不良
- チャタリングの症状はドラッグ操作が途切れたり意図しないダブルクリックが発生すること
- チャタリングを確認するツールでは発生率を数値化できる
- ロジクールのマウスでチャタリングが起きやすいモデルはG700sやMXシリーズなど
- マウスホイールのチャタリングは逆方向にスクロールする現象として現れる

マウスのチャタリングとは単発クリックが複数回認識される現象
マウスのチャタリングとは、1回のクリック操作をしたにもかかわらず、マウスがそれを2回以上のクリックとして認識してしまう現象です。例えば、ファイルを1回クリックしただけなのに、自動的にダブルクリックとして認識され、ファイルが開いてしまうといった状況が発生します。
チャタリングは単にイライラするだけでなく、作業効率を著しく低下させる原因となります。ドキュメント編集中にテキストが選択できなかったり、グラフィックソフトでの細かい作業が困難になったりと、日常的なPC作業に大きな支障をきたします。
特にゲームをプレイする際には致命的な問題となります。FPSゲームなどでは、1回のクリックで狙撃するはずが、チャタリングによって弾が2発発射されてしまい、弾薬を無駄に消費したり、敵に位置を悟られたりする原因になります。
チャタリングの発生頻度は使用状況によって異なります。初期段階では時々発生する程度ですが、症状が進行すると、ほぼ毎回のクリックでチャタリングが発生するようになり、マウスがほとんど使い物にならなくなることもあります。
この現象はあらゆるメーカーのマウスで起こり得ますが、特にロジクールのマウスではよく報告されている問題です。ただし、これはロジクールのマウスの品質が低いというわけではなく、むしろ多くのユーザーに利用されているからこそ、症例報告が多いという側面もあります。
ロジクールのマウスでチャタリングが起きる主な原因はスイッチの接点不良
ロジクールマウスでチャタリングが発生する主な原因は、内部のマイクロスイッチの接点不良です。マウスのクリックボタンの下には「マイクロスイッチ」と呼ばれる小さな部品があり、このスイッチが物理的に押されることでクリック信号がパソコンに送られます。
長期間の使用によって、このマイクロスイッチの接点部分が摩耗したり、ホコリや汚れが付着したりすることで、接触不良が発生します。接触不良になると、クリックしたときの電気信号が安定せず、一度の物理的なクリックに対して電気的には複数回のオン/オフ信号が発生してしまうのです。
また、マウス内部に溜まった静電気もチャタリングの原因となることがあります。静電気によって接点が不安定になり、誤作動を起こすケースです。特に冬場の乾燥した環境ではこの現象が起きやすくなります。
ロジクールのマウスでは、オムロン製のD2FC-F-7Nというマイクロスイッチが多く使われています。このスイッチは品質が高く、一般的には1000万回のクリックに耐えるよう設計されていますが、使用頻度や環境によっては早期に劣化することもあります。
特にゲーミングマウスでは、頻繁に高速でクリックする使用パターンが多いため、スイッチへの負担が大きく、一般的なマウスよりもチャタリングが発生しやすい傾向があります。G700s、MX Anywhere 3、G304などのモデルでチャタリングの報告が見られます。
チャタリングの症状はドラッグ操作が途切れたり意図しないダブルクリックが発生すること

チャタリングの症状は、単にクリックが2回認識されるだけでなく、さまざまな形で現れます。最も典型的な症状としては、以下のようなものがあります。
まず、ドラッグ操作が途中で途切れる現象です。例えば、テキストを範囲選択しようとドラッグしている最中に、突然選択が解除されてしまいます。これはドラッグ中に一瞬だけマウスボタンが離れたと認識されるためです。作業効率を著しく低下させる原因となり、特に細かい編集作業では大きなストレスとなります。
次に、意図しないダブルクリックが発生することがあります。Webブラウザでリンクを1回クリックしただけなのに、リンク先のページが新しいタブで開いてしまうといった現象です。場合によっては、重要なファイルの誤操作につながる危険性もあります。
また、ウィンドウをドラッグしようとすると、突然最大化されてしまう現象も報告されています。これはドラッグの開始直後にチャタリングが発生し、ウィンドウタイトルバーをダブルクリックしたと認識されるためです。
さらに、クリックしても何も反応しないことがあります。これはスイッチの接触が非常に不安定になっている状態で、クリック信号自体がPC側に正しく伝わらないケースです。この場合、強く押すと正常に動作することもあります。
特にサイドボタンでチャタリングが発生すると、ブラウザで頻繁に「戻る」操作が誤発動したり、ゲーム内でのショートカット操作が誤作動したりするなど、予期せぬ動作の原因となります。
チャタリングを確認するツールでは発生率を数値化できる
自分のマウスがチャタリングを起こしているかどうかを客観的に判断するためには、専用のチェックツールを使用するのが効果的です。これらのツールを使えば、チャタリングの発生率を数値として確認できるため、問題の深刻度がわかります。
「チャタリング チェック ツール」や「チャタリング チェッカー」などでWeb検索すると、オンラインで利用できる無料のチェックツールが見つかります。例えば「https://service.webgoto.net/chattering/」などのサイトでは、マウスクリックのチャタリングを検出し、発生率を表示してくれます。
このようなツールの使い方は非常に簡単です。サイトにアクセスし、指定された場所でマウスボタンをクリックすると、ツールが一定回数のクリックを記録し、その中でチャタリングが何回発生したかを計測します。結果として「チャタリング率:〇%」のように表示されます。
健全なマウスであれば、チャタリング率は0%に近い値となるはずです。もし5%以上の値が検出されるようであれば、マウスに何らかの問題があると考えて良いでしょう。20%を超えるような高いチャタリング率が出る場合には、日常使用において明らかな支障が出ているはずです。
テスト結果が悪い場合でも、マウスの故障を断定する前に、別のPCでも同様のテストを行うことをおすすめします。これにより、問題がマウス自体にあるのか、使用しているPCの設定や環境による影響なのかを切り分けることができます。
また、長時間のテストも有効です。チャタリングは使用を続けるうちに熱が発生したり、部品が動いたりすることで症状が変化することがあります。そのため、短時間のテストでは問題がなくても、30分ほど使用した後で再度テストすると問題が顕在化することもあります。
ロジクールのマウスでチャタリングが起きやすいモデルはG700sやMXシリーズなど
ロジクールの製品ラインナップの中で、特にチャタリングの報告が多いモデルについて見ていきましょう。ただし、これはそのモデルの品質が低いということではなく、人気が高く使用者が多いために相対的に報告数が多くなっている可能性もあります。
まず、ゲーミングマウスの「G700s」は、チャタリングの報告が比較的多いモデルの一つです。このモデルは多ボタン設計で人気が高く、長年愛用しているユーザーも多いですが、数年の使用でチャタリングが発生するケースが見られます。G700sは既に生産終了となっていますが、その使い勝手の良さから中古市場でも高値で取引されています。
次に「MX Anywhere 3」などのMXシリーズもチャタリングの報告が見られます。これらは主にビジネス用途で人気のモデルで、価格帯も比較的高めです。高機能かつコンパクトなサイズ感から、持ち運びも含めて頻繁に使用されるため、スイッチへの負担が大きくなりやすい点も一因かもしれません。
また、比較的安価なゲーミングマウスの「G304」や「G300s」でもチャタリングの事例が報告されています。これらは価格性能比に優れたモデルとして多くのユーザーに選ばれていますが、ゲームでの激しい使用環境下ではスイッチへの負担も大きくなります。
興味深いことに、あるユーザーの報告によれば、ロジクールのマウスでは「クリックするパーツの半分から下のエリアを勢いをつけて叩くようなクリックをすると、仕様なのかチャタリングに似た高速ダブルクリックになる」という現象が発生することもあるようです。これはチャタリングとは別の現象である可能性もありますが、誤操作として認識されることがあります。
ただし、ロジクールの保証サービスは比較的充実しており、保証期間内であればチャタリングが発生した場合でも交換対応してもらえる可能性が高いです。製品によっては2年から3年の長期保証が適用されるものもあります。
マウスホイールのチャタリングは逆方向にスクロールする現象として現れる
マウスのチャタリングと言えば、通常はクリックボタンの問題を指しますが、実はマウスホイールにもチャタリングのような症状が発生することがあります。これは「逆スクロール」と呼ばれる現象で、ホイールを上方向に回したのに下方向にスクロールしてしまう(またはその逆)というものです。
ロジクールのゲーミングマウス、特にGPROシリーズなどでこの現象の報告が見られます。例えば、ユーザーの報告によれば「GPROのホイールを上に回すとたまに下に反応し、その逆も同様」という症状が発生することがあります。また、別のユーザーは「ホイール下にクルクルしても上に行く時が頻繁にある」と報告しています。
マウスホイールのチャタリング(逆スクロール)の原因は、クリックボタンのチャタリングと同様に、ホイール部分のエンコーダと呼ばれる部品の劣化や汚れによる接触不良です。ホイールを回すときの物理的な信号が正確に電気信号に変換されず、逆方向の信号として誤認識されてしまうのです。
この症状はWebページの閲覧時に特に顕著に現れ、スクロールしようとすると一瞬逆方向に動いたり、ガクガクと不規則に動いたりします。また、ゲーム内でホイールを武器選択などに割り当てている場合、意図しない武器に切り替わってしまうといった問題も発生します。
マウスホイールのチャタリングに対しては、まずはマウスドライバを最新の状態にアップデートすることで改善する可能性があります。また、圧縮空気などでホイール部分のゴミやホコリを吹き飛ばすことで一時的に症状が緩和することもあります。
しかし、これらの対策で改善しない場合は、ホイール部分のエンコーダが物理的に劣化している可能性が高く、修理が必要となります。クリックボタンのスイッチ交換と比べると、ホイールのエンコーダ交換はやや難易度が高くなりますが、DIYでの修理も不可能ではありません。
ロジクールのマウスのチャタリングを直す方法とおすすめの対策
- ロジクールのマウスのチャタリングを直す簡単な方法は電池を外して放電すること
- 接点復活剤を使ったロジクールマウスのチャタリング修理方法
- マイクロスイッチを交換してロジクールマウスのチャタリングを完全に解消する手順
- チャタリングキャンセラーというソフトでソフトウェア的に対策する方法
- ロジクールの保証期間内ならチャタリング発生時に無償交換してもらえる
- チャタリングしにくい無線マウスおすすめ機種はオプティカルスイッチ採用モデル
- まとめ:チャタリングするロジクールマウスの対処法と予防策
ロジクールのマウスのチャタリングを直す簡単な方法は電池を外して放電すること
ロジクールのマウスでチャタリングが発生した場合、最初に試すべき簡単な対処法が「放電作業」です。この方法は工具も必要なく、誰でも簡単に試すことができます。特に、チャタリングの原因が静電気である場合に効果的とされています。
放電作業の基本的な手順は非常にシンプルです。まず、ワイヤレスマウスの場合は電池を取り出します。有線マウスならUSBケーブルを抜きます。次に、マウスのボタン(左クリック、右クリック、その他のボタン)を10〜20秒ほど連打します。これにより、マウス内部に溜まった静電気を放出させることができます。
この作業を行う際は、特に電池を取り外した状態で全てのボタンをカチカチと押すことが重要です。中には「マウス裏のスイッチを切った状態&切っていない状態の両方で、色々なボタンを10秒~20秒押す」という方法も報告されています。
放電作業の効果は個体差がありますが、多くのユーザーがこの方法でチャタリングが改善したと報告しています。例えば、あるユーザーは「M705のチャタリングがひどく、解決策を調べていたところ、書かれている対策をしたところ全く問題ない状態にまで回復しました」と述べています。
また、別のユーザーは「過去にチャタリングでダメだと思っていた2台のM905も見事に復旧しました」と報告しており、古いマウスでも復活する可能性があることを示唆しています。ただし、効果の持続期間は個体によって異なり、一時的に症状が改善しても、数日後に再発する場合もあります。
放電作業は何度でも試すことができるため、チャタリングが再発した場合は同じ手順を繰り返すことで一時的に使用を継続できる可能性があります。ただし、スイッチ自体が物理的に劣化している場合は、最終的には次に紹介する方法などのより本格的な修理が必要になることもあります。

接点復活剤を使ったロジクールマウスのチャタリング修理方法
放電作業でチャタリングが改善しない場合は、次のステップとして「接点復活剤」を使用する方法があります。接点復活剤は、電気接点の腐食や酸化を除去し、導通を回復させる効果があります。オーディオ機器のプラグなどでも使用される便利なアイテムです。
まず、接点復活剤を使うには、マウスを分解する必要があります。多くのロジクールマウスは、底面のソールパッド(滑り止めゴム)を剥がすとネジが現れます。精密ドライバーでこれらのネジを外し、上部カバーを慎重に取り外します。
ロジクールのG600の事例では「ソフト99 チョット塗りエイド 接点復活剤 12ml」を使用した例が報告されています。このタイプの接点復活剤はキャップがハケになっており、細かな部分への塗り込みに適しています。また「KURE 接点復活スプレー」も効果的です。
接点復活剤を使う際の重要なポイントは、問題のスイッチ部分に少量だけ塗布することです。G700sの修理例では「少量で使いやすく、キャップがハケになっているため細かな部分への塗りこみが楽」と報告されています。スイッチの白いボタン部分の周囲をなでるように塗布し、その後楊枝などでボタンを100回程度カチカチと押すことで、液が内部に浸透するよう促します。
この作業を2〜3回繰り返し、合計で300回程度ボタンを押すことで効果が高まるとされています。左右のボタンそれぞれに行う場合は、合計600回のカチカチ作業が必要になります。作業後は余分な液体をキムワイプなどで拭き取ります。
この方法での修理成功例として、「チャタリング チェック ツールで300回クリックテストしてみたけど、チャタリング率は0%になりました」という報告があります。ただし、接点復活剤の効果は永続的ではない場合もあり、症状が再発することもあります。
作業時の注意点として、接点復活剤がプラスチック部分に付着しても問題ないタイプが多いですが、念のため製品説明を確認しておくと安心です。また、分解時はマウスホイールのバネなど小さな部品をなくさないよう注意が必要です。
マイクロスイッチを交換してロジクールマウスのチャタリングを完全に解消する手順
チャタリングを根本的に解決するには、問題のマイクロスイッチを新品に交換するのが最も確実な方法です。ロジクールのマウスには主にオムロン製のマイクロスイッチが使われており、交換用のパーツも比較的安価で入手できます。
まず、交換に必要なマイクロスイッチを入手します。ロジクールマウスでよく使われているのは「オムロンD2FC-F-7N」シリーズです。モデルによっては「D2FC-F-7N(20M)」や「D2F-01F」など若干異なるモデルが使われていることもありますが、基本的にはD2FC-F-7Nであれば互換性があります。これらは通販サイトで1個あたり100〜500円程度で購入できます。
マイクロスイッチの交換には、はんだごて、はんだ吸い取り機(または吸い取り線)、精密ドライバー、ピンセットなどの工具が必要です。経験がない場合は、事前に基本的なはんだ付けの練習をしておくと良いでしょう。
作業手順の概要は以下の通りです:
- マウスを分解し、基板を露出させる
- 交換したいマイクロスイッチの位置を確認する
- はんだごてとはんだ吸い取り機で、古いスイッチのはんだを除去する
- 古いスイッチを取り外す
- 新しいスイッチを同じ向きで配置し、はんだ付けする
- マウスを元通りに組み立てる
G300の修理例では、修理をしやすくするコツとして「マイクロリミットスイッチは3つ足。基盤の裏側で交換したいリミットスイッチの足を、ニッパーであらかじめ切り落としておこう。こうすると交換がしやすくなる」というアドバイスがあります。
また、G700sの修理例では、上下の基板が14本の端子で接続されており、分離が難しいという報告があります。こうした複雑な構造のマウスは、修理の難易度が高くなるため、経験者のアドバイスを参考にすると良いでしょう。
注意点として、マウスの分解時には小さなバネやその他の部品をなくさないよう注意が必要です。また、はんだごては高温になるため、やけどに注意し、目を保護するためのメガネの着用も推奨されています。
スイッチ交換後は、「クリック感がしっかりしたように感じる」という効果も報告されています。交換したスイッチが元のものより高耐久のモデルであれば、次回のチャタリングまでの期間が長くなる可能性もあります。
チャタリングキャンセラーというソフトでソフトウェア的に対策する方法
マウスを分解して修理することが難しい場合や、一時的な対策として「チャタリングキャンセラー」というソフトウェアを利用する方法があります。これは、マウスの物理的な問題を解決するのではなく、ソフトウェア側でチャタリングを検出し、補正する仕組みです。
チャタリングキャンセラーの代表的なものとして、「ChatteringCanceler」というフリーソフトがあります。このソフトは、極端に短い間隔で連続したクリック信号を検出すると、それを1回のクリックとして処理する機能を持っています。
使い方は非常に簡単で、ソフトをダウンロードしてインストールし、実行するだけです。設定画面では、チャタリング判定の時間間隔(ミリ秒単位)を調整することができます。間隔を長くするとチャタリング防止効果は高まりますが、あまり長すぎると意図的な高速ダブルクリックも1回のクリックとして処理されてしまう可能性があります。
このソフトウェアによる対策の利点は、マウスを分解したり特別な技術が必要なく、誰でも簡単に試せる点です。また、マウスの保証を維持したままチャタリング問題に対処できます。
一方で、ソフトウェアによる対策にはいくつかの制限もあります。まず、常にバックグラウンドでソフトを起動しておく必要があります。また、ゲームなど特定のアプリケーションでは効果が限定的な場合や、わずかな遅延が発生する可能性もあります。特にFPSゲームなど、ミリ秒単位の反応速度が重要な場面では、この遅延が気になる場合もあります。
あるユーザーの報告によれば、「改善が認識できるレベルで効いてくれてはいますが、完全にチャタリングを無くすまでには至っていません」とのことです。また別のユーザーは「G700sを使用していて『ChatteringCanceler』というソフトを使用しましたが改善されませんでした」と報告しており、効果には個人差があるようです。
チャタリングキャンセラーは根本的な解決策ではなく、一時的な対策として考えるのが妥当でしょう。長期的には、マウスの修理や交換を検討することをおすすめします。
ロジクールの保証期間内ならチャタリング発生時に無償交換してもらえる
ロジクールのマウスは、一般的に購入から2年間の保証期間が設けられていますが、モデルによっては3年間の長期保証が適用されるものもあります。チャタリングが発生した場合、この保証期間内であれば無償で交換対応してもらえる可能性が高いです。
保証サービスを利用する際の手順は比較的シンプルです。まず、ロジクールのカスタマーサービスに電話やメールで連絡し、症状を説明します。その後、先方の指示に従って必要な情報(住所、氏名、保証書や領収書の写真など)を提供します。
あるユーザーの報告によれば、「数時間後に、確認が取れたので交換品を送付するとの連絡が。不具合になった『M510』は送り返す必要はないので、こちらで処分して下さいとのこと」と、非常にスムーズな対応だったことが記されています。不具合品の返送が不要という点も、ユーザーにとって負担の少ない対応と言えるでしょう。
ただし、保証対応には若干の注意点もあります。例えば、在庫状況によっては交換品の発送までに時間がかかる場合があります。「在庫が少なくなりつつあるので、タイミングが合えば4~5日で発送可能だけど、それを逃すと次の納期まで10日~2週間程度の期間が必要になります」というケースも報告されています。
また、保証サービスを利用する際には、購入証明書(領収書やインボイス)と保証書が必要となることが多いです。特にオンラインショップで購入した場合は、デジタルの領収書をきちんと保存しておくことが重要です。
興味深いことに、ロジクールの保証サービスは「激甘」と評されることもあります。あるユーザーは「深くは書きませんがLogicoolは保証が激甘なんで故障した時にちゃんと申請できるのなら高級デバイスほどLogicool製品はオススメ」と述べています。これは、製品の寿命を超えて使用できる可能性を示唆しているとも言えます。
保証期間が過ぎてしまった場合は、先に紹介した自己修理の方法を試すか、新しいマウスの購入を検討することになります。
チャタリングしにくい無線マウスおすすめ機種はオプティカルスイッチ採用モデル

マウスのチャタリングに悩まされたくない場合は、購入時点でチャタリングしにくいマウスを選ぶという選択肢もあります。特におすすめなのが、従来の機械式スイッチではなく「オプティカルスイッチ(光学式スイッチ)」を採用したマウスです。
オプティカルスイッチは、物理的な接点を使わず、光の遮断を検知してクリックを感知する仕組みです。接点がないため、経年劣化による接触不良が発生せず、理論上はチャタリングが起きないという大きなメリットがあります。
例えば、Razerの「Viper V2 Pro」はオプティカルスイッチを採用したモデルとして知られています。ユーザーの中には「原理的にはチャタリングが起こらないオプティカルスイッチを使用しているマウス」として、このモデルを推奨している声もあります。
ロジクールのマウスの中では、残念ながらオプティカルスイッチ採用モデルは限られていますが、最新のゲーミングマウスシリーズでは徐々に導入されつつあります。購入を検討する際には、製品の仕様をよく確認し、どのタイプのスイッチが使われているかを確認するとよいでしょう。
また、スイッチの種類以外にも、マウスの耐久性に関する情報も参考になります。多くのメーカーは、クリックの耐久回数を公表しています。例えば「2000万回クリック保証」といった表記があれば、それだけ長期間安定して使用できる可能性が高いと言えます。
ユーザーの使用体験としては、「高めのゲーミングマウスを6個くらい買いましたが故障したのは2回でした、その時はサイドボタンのチャタリングとホイールの不具合でした」という報告があります。高品質のゲーミングマウスは、一般的なオフィス用マウスと比べて耐久性が高い傾向があります。
ただし、どんなマウスでも使用年数が経過すれば、いずれは部品の劣化は避けられません。特に頻繁にクリックするゲームなどで使用する場合は、定期的なメンテナンスや、いざという時の修理方法を知っておくことも大切です。

まとめ:チャタリングするロジクールマウスの対処法と予防策
最後に記事のポイントをまとめます。
- チャタリングはマウスで1回クリックしたのに2回以上クリックされる現象
- ロジクールのマウスでは主にG700s、MX Anywhere 3、G304などでチャタリングの報告がある
- チャタリングの主な原因はマイクロスイッチの接点不良や静電気
- 「チャタリングチェックツール」を使えばチャタリングの発生率を数値化できる
- 最も簡単な対処法は電池を抜いてボタンを連打する「放電作業」
- 接点復活剤を使った修理も比較的簡単に試せる効果的な方法
- 根本的な解決にはマイクロスイッチの交換が最も確実
- 「ChatteringCanceler」などのソフトで一時的に症状を緩和できる
- ロジクールの保証期間は2〜3年間で、期間内ならチャタリングでも交換対応してもらえる可能性が高い
- チャタリングを避けたいならオプティカルスイッチ採用のマウスがおすすめ
- マウスホイールのチャタリングは逆スクロールとして現れ、こちらも修理可能
- ゲーミングマウスは一般に耐久性が高いが、頻繁な使用ではスイッチへの負担も大きくなる
- DIY修理は保証が切れたマウスの延命に効果的だが、初心者は慎重に作業を進める必要がある
- マウスの分解時は小さいバネなどの部品を紛失しないように注意が必要
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- http://nyakkun333.blog73.fc2.com/blog-entry-371.html
- https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=25467087/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11293276001
- https://ameblo.jp/k-otoiro/entry-12858170883.html
- https://memo.sanographix.net/post/100035703395
- https://gogj.tokyo/2021/04/18/repair-chattering-mouse/
- https://55life555.blog.fc2.com/blog-entry-564.html
- https://fps.ww3.jp/2021/02/05/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB-g300-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81%E4%BA%A4%E6%8F%9B/
- https://www.multas-lab.net/archives/3313
- https://temcee.hatenablog.com/entry/chattering_mouse